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北山丸太を藍で染める。新たな可能性を拓く「Draw Dots Dawn」西村さんの挑戦

2025年9月8日

京都の豊かな自然に育まれた木材、特に北山丸太は、その美しさで古くから日本の建築や文化を彩ってきました。また、古くから日本の生活に深く関わり、日本を代表する色彩である藍。このふたつを繋ぎ、新たな可能性を開こうとするパートナーである「Draw Dots Dawn(ドロー・ドッツ・ドーン)」の西村尚門(にしむらなおと)さんにお話を伺いました。伝統的な藍染の技術を駆使し、木材を染めるというユニークな試みに挑戦する西村さんの情熱と、そこから生まれる新たな価値についてご紹介します。

北山丸太の染色方法と難しかった点など

これまで、西村さんが染めてきたのは主に布や板材でしたが、今回のインタビューでは、北山丸太で作成した盾を藍染していただきました。

特に丸太の藍染では、板と違って高さがあるため、完全に染液に浸した状態を維持する必要があるそうです。藍染の工程は、3分程度染液に浸けては酸化し、乾燥させる作業を10回程度繰り返すことで、徐々に色を重ねていくという、根気のいる作業です。

藍染した木の使い方について

例えば、店舗の壁面を藍染で彩ったり、建築物の一部に藍染の木材を取り入れたりすることで、空間に深みと個性を与えることができるのではないかと考えています。また、家具や食器など、日々の暮らしの中で長く愛用できるものに藍染を取り入れることで、日本の伝統色である藍を身近に感じてもらいたいという思いも込められています。

西村さんは、今ある製品を藍染することで価値を高めたいとも考えています。「お客さんが『染めたい』と思ったとき、その気持ちを大切にしたいんです。ニーズに応えられた瞬間が、何より嬉しい」と語ってくださいました。

木と暮らすデザインKYOTOでやってみたいこと

「木と暮らすデザインKYOTO」との連携について伺うと、お互いの技術やアイデアを融合させることで、新たな価値を創造できるのではないかと考えています。つくり手の思いを大事にしつつ、提案していきたいとお話ししてくださいました。

また、アウトプットできる人材との連携にも関心を示しており、藍染の技術を活かした新たな表現方法や製品開発に繋がることを期待しています。

今後の展望

今後の展望について、西村さんは「藍染製品を通じて、藍の魅力をより多くの人に伝えたい」と語ります。藍染ワークショップを開催しつつ、人々の暮らしに寄り添える作品を制作していきたいとのこと。そして、「作家として個展を開くなど、表現の幅を広げていきたい」と、力強く語ってくださいました。

屋号のドロー・ドッツ・ドーンという名称の由来をお聞きした所、“ルーツを愛する人「点」を地球上に「描けば」やがて「夜明け」がくる”という意味で、ルーツや個性を大切にする人々の居場所であることを大切にしたいという思いが込められているそうです。

最後に

今回のインタビューを通して、伝統を守りながらも、常に新しい可能性に挑戦する西村さんの姿勢に感銘を受けました。藍染という日本の伝統技術と、北山丸太という地域資源を組み合わせることで、どのような化学反応が生まれるのか、今後の展開が非常に楽しみです。徳島での修行を経て、地元・京都市伏見区羽束師で、藍の栽培から染料づくり、染色、作品づくりまですべての行程をこなす西村さん。「木と暮らすデザインKYOTO」も、西村さんの活動を応援し、共に木の新たな価値を創造していきたいと考えています。

西村さんの工房では、作品の販売や藍染ワークショップも実施しています。

HP : https://drawdotsdawn.official.ec/
Instagram  : https://www.instagram.com/draw_dots_dawn/