
親子で「木」と「地球」の未来を考える一日
「木を使うことって、エコなの?」 そんな問いから始まった今回の木育イベント。
子どもたちは“宮大工さんのお仕事体験”を通して、木と森、そして私たちの暮らしがどのようにつながっているのかを、楽しみながら学びました。
今回、木と暮らすデザインKYOTOのパートナーである有限会社匠弘堂、そして公益財団法人 京都市環境保全活動推進協会の皆さまにご協力いただき、普段はなかなか体験できない特別な学びの時間が実現しました。
まずは宮大工さんのお話からスタート。
今回の講師を務めて頂いたのは、有限会社匠弘堂ブランドマネージャーの富沢さん

(右:富沢さん 左:宮大工の稲葉さん)

(宮大工のお仕事についての説明を受ける参加者)
「木を切るって、森に悪いことじゃないの?」
多くの子どもたちが、そう思っていたはずです。
適切に木を伐り、光を入れ、新しい苗を植えて育て続けることで、森は元気を取り戻します。木を使うことは、森を守り、育てる“循環”を支える行動でもあることを学びました。
さらに、日本の伝統建築の魅力にも触れました。
奈良県の法隆寺が1300年以上も建ち続けている理由は、良質なヒノキと日本の気候風土に耐える木組み構造、そしてそれを実現できる宮大工の高度な技術があったためです。この伝統的な木組み構造のおかげで「壊して捨てる」のではなく「修理して使い続ける」ことができます。
傷んだ部分だけを修理して、また使う。だから建物全体がゴミになることはありません。
これはまさに、今の時代に必要な“サステナブルな暮らし”のお手本です。
子どもたちが特に夢中になったのが、釘を使わずに木と木をつなぐ「継手(つぎて)」の体験。代表的な「金輪継ぎ(かなわつぎ)」 の模型を前に、「かたい!」「全然とれない!」「パズルみたい!」と大興奮。


(継手の模型)

(代表の横川さんが仕組みを子どもたちに説明)

(継手を引っ張ってもなかなか離れない)
職人さんの知恵と工夫が詰まった技術に、目を輝かせながら挑戦していました。
さらに、宮大工の稲葉さんによる鉋(かんな)掛け体験では、削った瞬間に広がる木の香りに、子どもたちは
「いいにおい!」「つるつる!」
と、五感を使って木の魅力を実感していました。

(鉋掛け体験)

(鉋掛け体験 ヒノキのいい香り)

(カンナ掛け体験 すべすべ)
画面の中ではなく、“本物”に触れる体験は、子どもたちの心にしっかりと残ったようでした。
そして、「木は捨てるところがない」というお話も。
端材はストーブの薪になり、木くずは馬のベッドになり、やがて畑の肥料に。
最後まで役に立ち、新しい命を育てる。
このお話に、保護者の皆さまも「なるほど」と深くうなずいておられました。
・・・
後半は京エコロジーセンターの展示場へ移動し、展示ツアーと森林クイズに挑戦。
講師を務めて頂いたのは、公益財団法人 京都市環境保全活動推進協会の広中さん
「日本の国土の約3分の2は森林って知ってた?」
「京都市も、実は半分以上(約74%)が山なんだよ」と、大人でも驚く数字に、会場は大盛り上がりでした。

(京都市環境保全活動推進協会の広中さん)

(クイズをする様子)
さらに、日本で使われている木の多くが外国産で、国産材の割合が半分以下になっているという現実も学び、「地元の木を使うこと」の大切さを実感しました。 その後は、「京都市の木で作られたもの探し」へ。
「京(みやこ)」のマーク(みやこ杣木認証マーク)を目印に、椅子や展示物を探し回る子どもたち。

(京都市の木 みやこ杣木のマーク)
「これも京都の木なんだ!」
と、普段何気なく使っているものの中に、地域の自然が生きていることを発見しました。
展示場には、実際の暮らしをイメージしたお座敷(得古座敷)が設置されており、そこには大工さんの技術が詰まった構造が見て取れます。
普段は壁の裏に隠れて見えない建物の構造も直接見ることができるようになっており、木をどのように組み合わせて建物を支えているかを学ぶことができます。

(得古座敷(えこざしき)をじっくり見学する子どもたち)
こうした展示を通じて、木を使う技術や文化を知ることが、森林や環境への理解につながる一歩となります。
このイベントを通して子どもたちが学んだのは、
・「木を伐る→使う→苗を育てる→森が元気になる」森の循環
・「木の建物をつくる→傷んだ部分を直す→大切に使い続ける」日本の伝統建築と宮大工の技術
・自分たちが住んでいる京都市にも森林がたくさんあること、地元の木を使うことの大切さ
木と暮らすデザインKYOTOでは、今後も皆様の新しい発見や体験が待ってる。そんな木育イベントを企画してまいります。
お子さまの「なんで?」「すごい!」があふれる瞬間。「遊びながら学べる」「親子で話したくなる」「暮らしを見直すきっかけになる」そんな時間を、ぜひ我々と一緒に作りませんか?