
7月25日、京都北山杉の里総合センターにおいて、木と暮らすデザインKYOTO木育イベント「木育学校『夏休み自由研究』~森から川へ、水のつながり体験~」を開催しました。
本イベントは、夏休みの自由研究にも活用できる体験型プログラムとして、森と川、そして私たちの暮らしとのつながりを楽しみながら学んでいただくことを目的に企画しました。京都市の森で育った木を使ったものづくりや、実際に川へ入って行ういきもの観察を通じて、生物多様性や森林の役割について理解を深める機会となりました。

(木育部会リーダーによる挨拶)
森と川のつながり・生物多様性のお話
木育学校の始まりは、きょうと生物多様性センターの松村さんから、森の役割や生物多様性の大切さ、身近にいるいきものたちがどのような環境でくらしているかのお話をしていただきました。

講師の松村さん(きょうと生物多様性センター)
森林が雨水を蓄え、その水が川へ流れることで多様な生きものの生息環境が守られていること、そして森林や川の環境が私たちの暮らしや食、文化とも深く関わっていることについて、分かりやすくお話しいただきました。
特に、鴨川を遡上し、京都の食文化にも深いつながりを持ったアユを事例に、人の手が入らなくなってきた森が川の環境や川のいきものにどのような影響を与えているかを分かりやすく解説
子どもたちは熱心に耳を傾け、保護者の皆様も自然環境の仕組みについて理解を深めている様子が見られました。
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京都の木を使った「箱メガネ」づくり
続いて、北山クラフトの織田さんの指導のもと、京都市の森で育った木材を使用した「箱メガネ」づくりを行いました。
まずは、材料である木のお話からスタートしました。
種類によっては水に沈むほど重い木があることを、実際に水槽に木を入れて実験しながら解説いただきました。また、京都市内にある日本一背の高い木の高さクイズで場が盛り上がりました。
木のお話の次はいよいよ箱メガネ作りです。

講師の織田さん(北山クラフト)
箱メガネは、水中眼鏡と違い顔が水面から出ているので長時間水中の様子を観察できる道具です。
金槌の持ち方から釘の打ち方、ドライバーでネジを回すときの力の入れ方など、木工の基本から教えていただきました。 木の香りや手触りを感じながら、一つひとつ丁寧に組み立て、自分だけの箱メガネが完成しました。



最後は焼きペンで、各自の箱メガネに名前を入れました。
ものづくりを通して京都の木の魅力を体感するとともに、木を使うことが森林を守り育てることにつながるという「木育」の考え方にも触れていただきました。
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里山の恵みを味わう昼食
昼食には、希望者を対象に、まーるの鈴木さんによる京北産の野菜やジビエを使った「里山弁当」を提供しました。

(今回の里山弁当)
京北ってどんなところ?
今日のお弁当にはどんな夏野菜が入っている?
作り手の鈴木さんから、ハチミツやお味噌も京北で作っていること、ジビエと獣害の問題のお話、里山の風景と人々の営みのお話などをしていただきました。
お弁当を食べながら、地域の食材や里山の恵みについて知り、森林や農地が育む食文化について学びました。

今回のお弁当について説明する鈴木さん(まーる)
自然の恵みが日々の暮らしにつながっていることを実感できる機会となりました。
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手づくりの箱メガネで川の生きもの調査
午後からは、京の川の恵みを活かす会の山本さんを講師に迎え、実際に川へ入り、生きもの調査を実施しました。
まず最初に、川の中での歩き方、ライフジャケットの正しい着用方法、もしおぼれたり流されたりしたときはどうしたらいいかなど、安全に川で活動するためのルールについて、しっかり教えていただきました。
ルールやマナーを確認し、いよいよ川でのいきもの観察です。

講師の山本さん(京の川の恵みを活かす会)
午前中に制作した箱メガネを使って水中をのぞき込み、水生昆虫や魚などさまざまないきものを観察しました。子どもたちは夢中になって川の中を観察し、「こんな生きものがいるんだ」「水がきれいだから生きものがたくさんいるんだね」といった声があちこちで聞かれました。

(箱メガネで水中を見る様子)

山本さんからは、見つけたいきものの種類によって川の環境を知ることができることや、いきものが暮らしやすい川を守るためには、その源となる森林を健全に育てることが大切であることについて解説いただきました。 自然を楽しむためには環境への配慮が欠かせないことを体験的に学ぶ機会となりました。



(捕まえた生きものの名前を教えてもらう姿)
今回観察できた生きもの
ヒゲナガカワトビケラ
カワムツ
アジメドジョウ
カジカガエル
カジカガエルのオタマジャクシ
タカハヤ
カワヨシノボリ
カワニナ
サワガニ
ヒラタカゲロウ
コオニヤンマ
オオクラカワゲラ
アユ など
※捕獲したいきものは川に戻しました。
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参加者の声から見えた学びと気づき
イベント終了後のアンケートでは、多くの参加者から自然環境や森林への関心が高まったという回答が寄せられました。
子どもたちの声
参加した小学生からは、
- 「これからも京都の木を使ったり、森を大切にしたいと思った」
- 「いろいろな生き物の種類を知ることができて勉強になった」
- 「生き物の多様性について知ることができた」
- 「川遊びでのマナーやルールを知ったので、ほかの川でも活かしたいと思った」
といった感想が寄せられました。
木を使ったものづくりから始まり、生きもの観察へとつながる一連の体験を通して、森林や川を自分ごととして捉える意識が育まれたことがうかがえます。
保護者の声
保護者の皆様からは、
- 今回のイベントを通して京都の生物多様性の保全への関心が高まった
- 京都の農林業や森林の現状について関心が高まった
という回答が多く寄せられました。
また、「木育」という言葉については約90%の参加者が知っていると回答し、木や森林への教育的な取組への認知が広がっていることが分かりました。
さらに、ほとんどの方が子どもにもっと自然と触れ合ってほしいとと思っていることも分かりました。
都市部で生活する子どもたちにとって、実際に川へ入り、生きものを観察し、木に触れ、地域の食材を味わう体験は非常に貴重であり、自然と触れ合う機会への期待の高さがうかがえる結果となりました。
森・川・人をつなぐ木育の一日
本イベントでは、「いきもの」「木」「川」「食」という視点を通して、京都の自然環境の豊かさと、それを支える森林の役割について総合的に学んでいただくことができました。
森が育む水が川を支え、その川が多様な生きものを育み、さらに地域の農林業や食文化、私たちの暮らしへとつながっていることを、座学だけでなく、ものづくりや自然体験を通して五感で学ぶ一日となりました。
参加者から寄せられた感想からも、自然を守ることや京都の木を使うことの大切さを実感していただけたことが伝わってきます。
木と暮らすデザインKYOTOでは、今後も京都の森林資源や木材利用の魅力を広く発信するとともに、森・木・水・いきもの・人をつなぐ木育の取組を通じて、京都の豊かな自然環境への理解を深めていただける機会を創出してまいります。
ご参加いただいた皆様をはじめ、ご協力いただいた講師・関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
木と暮らすデザインKYOTOでは、子どもたちが保護者と一緒に京都の自然や森林に親しめる活動拠点を紹介した「木育マップ」を作成しています。ぜひ身近な自然の中で木や森、川に触れる体験を続けていただければと思います。
「木育マップ」は下記リンクよりダウンロードいただけますので、お出かけや自由研究などにもぜひご活用ください。
https://kitokurasu-design.city.kyoto.lg.jp/info/4325.html
<本イベントの協力団体>
● きょうと生物多様性センター
● 北山クラフト
● まーる
● 京の川の恵みを活かす会
● 京都北山杉の里総合センター