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木と暮らすデザインKYOTO木育イベント「上賀茂神社 木の文化体感ツアー」を開催しました

2026年10月16日

令和8年9月27日(日)、賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ/通称:上賀茂神社)にて、木と暮らすデザインKYOTO木育イベント「上賀茂神社 木の文化体感ツアー」を開催しました。

ツアーは、上賀茂神社の特別参拝に加えて、午前の部ではチェーンソーによる丸太カットの実演見学、午後の部では葵プロジェクトやコンポストの取組の紹介と、それぞれ内容の異なる構成で実施しました。午後の部はあいにくの雨となりましたが、午前の部・午後の部ともに、たくさんの皆さまにご参加いただきました。

木育部会リーダーによる挨拶

神職の方から学ぶ、上賀茂神社の成り立ち

ツアーは、権禰宜の神山さんによる上賀茂神社の説明からスタートしました。約23万坪という広大な境内を誇る上賀茂神社は、平安遷都以前よりこの地を護る京都最古級の神社で、平安時代から変わらぬ景観を今に伝え、ユネスコ世界文化遺産にも登録されています。講話では、賀茂別雷大神をお祀りする神社の歴史や、雷の神様としての御神徳について語られました。また、21年ごとに行われる式年遷宮(しきねんせんぐう)や、屋根を葺き替える「檜皮葺」という伝統技法についても詳しく教えていただきました。

権禰宜 神山さん

一の鳥居から本殿へ

その後、参道へ移動し、一の鳥居からいよいよ境内の散策です。ここからは権禰宜の山名さんと、木のスペシャリストである株式会社千本銘木商会の中川さんのお二人にご案内いただきました。軽快でありながら奥深い解説に、皆さん真剣に聞き入っておられました。

権禰宜の山名さん(右)と株式会社千本銘木商会中川さん(左)

二の鳥居をくぐると、細殿(ほそどの)の前に立砂(たてすな)があります。

賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)がご降臨されたと伝わる神山(こうやま)を模した円錐形の盛り砂で、通常は1つのところ、上賀茂神社では2つ。そして、てっぺんには松の葉が立てられています。その意味についての山名さんの説明に、皆さん深く感銘を受けておられました。

土屋で祓を受け、玉橋を渡り、桜門をくぐって本殿へ特別参拝。

特別に神域にて説明を受け、神社建築の代表格である「流造(ながれづくり)」の美しさを堪能しました。

また、隣に並ぶ、まったく同じ造りの建物は、本殿の修繕時に神様に一時避難していただく権殿(ごんでん)です。その権殿の前にある杉尾神社は林業の神様で、今回のツアーの見どころのひとつです。参加者の皆さんと一緒に参拝しました。

高倉殿では、日本一の長さを誇る「孝明天皇行幸絵馬」を鑑賞させていただきました。巨大絵馬には、攘夷祈願のために行幸した孝明天皇の行列が描かれています。中川さんより、額縁に用いられている伊勢神宮の古材「木曽ヒノキ」の密な木目と香りの良さが解説されました 。 他にも、境内の樹木についてのご紹介や、木と神道のつながり等、広い境内を歩きながら、数多くの由緒を伺いました。

【午前の部】チェーンソーによる丸太カットの実演見学

午前の部では、境内で株式会社アーボプラスの皆様による実演見学を行いました。街中や社寺仏閣などの重要文化財の近くでの巨木の伐採は、一歩間違えれば建造物の破損につながります。そのような厳しい条件の中でも、安全かつ確実に木を伐る技術を披露していただきました。

株式会社アーボプラス 代表の古原さん

初めて間近で聞くチェンソーの爆音、ロープを使って木に登りながらの伐採。丁寧な解説と確かな技術を目の当たりにして、参加者の皆さんも目を見張っていました。クライマーと地上でロープの誘導を担う2名の連携と、木をそのまま倒せない環境で建物を一切傷つけることなく枝を切り落とす技に、大きな拍手が送られました。

株式会社アーボプラスの中井さん

【午後の部】葵プロジェクトとコンポストの取組

午後の部では、「落ち葉探偵」の中田さんより、コンポストの取り組みについてご説明いただきました。 境内の膨大な落ち葉をゴミとして燃やすのではなく、コンポストで約1年かけて発酵させ、豊かな有機堆肥へと生まれ変わらせる循環型プロジェクト。完成した堆肥は土壌改良や樹木の根張りを助けるだけでなく、地元の小学校や児童館などへも配られ、地域の緑化に貢献しています。

落ち葉探偵の中田さん

あわせて、権禰宜の神山さんから、フタバアオイの育成プログラム「葵プロジェクト」についてもお話を伺いました。フタバアオイは、5月15日の「賀茂祭(通称:葵祭)」で用いられる象徴的な植物です。鹿やイノシシの食害や環境変化により激減したフタバアオイを守るため、市民が「里親」として小さなポッドを自宅で育て、神社へ還す取り組みが続けられています。「葵(あふひ)」は古く「神に逢ふ日」を意味し、神様とのご縁を結ぶ大変縁起の良い植物であるというお話に、参加者の皆様は熱心に耳を傾けていました。

畑に残るフタバアオイ

おわりに

今回は大人向けの木育イベントとして、上賀茂神社を舞台に、木の文化を体感できるツアーを開催しました。

参加者の皆さまからは、「木の観点から上賀茂神社を深く知ることができた」「実演を見て林業を応援したくなった」「葵プロジェクトに参加したい」などのお声をいただきました。

ご参加くださった皆さま、ご協力いただいた上賀茂神社の皆さま、パートナーの皆さまに、心より御礼申し上げます。皆さまのお声を大切にし、よりよいツアーを企画、運営していきます。次回のツアーも、どうぞお楽しみに。