「木と暮らすデザインKYOTO」では、地域産の木を使ったものづくりなどをお手伝いしています。
この度、京都一周トレイル会さんから、ノベルティ制作の御相談をいただいて、昇苑くみひもさんとホリモクさんをマッチング。「京くみひも」と北山杉を組み合わせたオリジナルネームタグを制作中です。
今回は、昇苑くみひもさんの工房を訪問し、組紐の製作過程を見学させていただきながら、同社次長の八田 俊さんからお話を伺いました。
−「紐を組む」−
本店の2階にある畳敷きの工房へ。
今回のノベルティで使用する組紐は伝統的な「手組」。「伝統工芸士」の梅原初美さんが、丸台と呼ばれる組台の上で、糸が巻かれた木玉を手前から奥に、奥から手前にと一本一本手作業で、まさに紐が「組まれて」いきます。木玉と木玉が当たる心地よい音とリズム、何の迷いもなく糸を選び、次々と繰り返される作業。鮮やかな手さばきに見とれてしまいます。「規則性があるので、その繰り返しです」とはおっしゃるものの、ずっと手元を見ていても、どうして次の糸が分かるのか、やっぱり分かりませんでした。
−「“良い”加減は難しい」−
和装も減って「手組」の機会も減った今日、次世代に技術を伝えていくことにも力を入れておられます。同社に在籍する伝統工芸士は4名。同社の組紐教室に通う生徒から職人になった方もいらっしゃるそうです。
「紐を組むことは出来ても、きれいに組むには微妙なチカラ加減が大切。その感覚は言葉では伝えきれないんです」
紐を組む時に、紐を下に引っ張るためのオモリの加減ひとつでも、組み方が緩くなってしまったりするとのことです。
一見単純な作業の繰り返しに見えても、職人の技が生きています。
今回の組みひもは、実は手組の中でも「教室に通う方が最後に目指す」という高度な編み方。山状の起伏が連なる職人技を感じる逸品です。
組紐の組み方に合わせて4種類の組台を使い分けるとのことで、他の組台でも実演していただきました。高校時代から組紐に携わってこられた梅原さん。私たちに熱心に説明をしていただき、仕事への情熱を強く感じました。
−「機械だって職人技」−
続いて、機械組の工房を案内していただきました。
手組とは打って変わって金属音が響き渡り年月を感じる機械が複雑な動作を繰り返しながら、少しずつ紐を組み上げています。
作業場では、職人さんが鮮やかな手さばきで糸を束ね、よりをかけ、「ボビン」に巻いていきます。そして、組紐の種類ごとに異なる機械を一台一台調整し…ここでも力加減を大切に、かなり繊細な調整の連続。「機械組」と聞くと、大量生産の工業製品のようなイメージがありますが、全くイメージが覆りました!ここにも職人の技が光っていました。
−「手組の良さ、機械組の良さを組み合わせながら、製品を生み出しています。」−
手組だけでは量は作れないし、機械だけでは出来ない組み方がある。伝統を大事にしながらも現代のニーズにもしっかり応えておられます。
−「まち全体が工房」−
最後は、仕上の作業場。6名ほどの職人さんがストラップなどの製品へと仕上げていきます。紐を結んだり編んだりして、形になっていく様は手品のようです。扇子の飾りやお寺の授与品、アクセサリーなど、用途も発注元の業種も本当に多種多様。近隣には、内職として携わる方もいて、それぞれの暮らし方に柔軟に対応しながら、組紐の技を守っています。
これまで培ってきた技を生かしていろいろなオーダーに応えながら、さらに技を磨いていく。今回のノベルティ制作でも、同社の高い技術力と対応力があって実現できたものだと実感しました。組紐にどっぷり魅了された時間でした。ありがとうございました。
(昇苑くみひも)https://www.showen.co.jp/
今回のネームタグは、「京都一周トレイルⓇ」デジタルスタンプラリー開設記念キャンペーンのノベルティです。
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「京都一周トレイルⓇ」デジタルスタンプラリー開設記念キャンペーン
https://ja.kyoto.travel/tourism/article/trail/news/format.php?id=274